初のセルフプロデュースによる、全曲書き下ろしのフルアルバム、ついに完成!2011年2月にリリースしたアルバム『VIVA』に続く今作。全国津々浦々ツアーを重ねる中で、書き溜めた曲群は、移ろう季節の情感や、生活の中で生じるリアリティ溢れる感情の機微が柔らかなサウンドと共に見事に表現されており、まるで一本の映画を観たかの様な、鮮やかな印象を与えてくれる。
ツアーメンバー福澤和也、南勇介を中心に、 サポートメンバーとして打楽器には宮川剛(GANGAZUMBA)、ホーンセクションには湯浅佳代子(wujabinbin)、黒川紗恵子(コーコーヤ)、織田祐亮(TRI4TH)などでレコーディングを行い、生楽曲の響きに拘った今作品は、あたたかな音像になっている。既存のジャンルに囚われこともなく、サンバ、ラテン、ニューオリンズ、カントリーなどの音楽が軽妙にブレンドされたカラフルでポップなサウンドに、老若男女が口ずさめるメロディーラインが展開されていく。そして、今作の最も特筆すべき点は、セルフプロデュースならではの、詩情豊かな等身大の表現が以前にも増してうたわれている点である。
中山うり / ホロホロ (CD) / UBCA-1031
収録曲
- 時々ドキドキ
- 寝ても覚めても
- 月曜日の夜に
- 蒼いアジサイが泣いている
- ガパオNo.5
- るるるるる
- 哀しきサングラス
- 8月のコラール
- トロントさん
- 石神井川であいましょう
商品情報
発売日:2012年12月19日
品番:UBCA-1031
発売元:Tuff Beats / A.O.I.
販売元:Space Shower Networks参加アーティスト
中山うり うた、コーラス、アコーディオン(M1~3,6,9~11)
トランペット(M1,2,9)、グロッケン(M2,3)、
ギター/ピアノ/口笛(M5)、カリンバ(M11)
福澤和也 ギター(M1~4,6~11)、ウクレレ(M3)
南勇介 ベース(M1~6,8~11)
宮川剛 ドラム、パーカッション(M1~6,8~11)
notch パーカッション(M8,10)
本田素子 フルート(M4,8,9)
黒川紗恵子 クラリネット(M4,6,8,9)
湯浅佳代子 トロンボーン(M4,6,9)
織田祐亮 トランペット(M8)
織田陽子 マリンバ、グロッケン(M1)曲解説
本人による曲解説
1. ホタル
子供の頃の感覚が、ふとした風景で断片的に蘇ることがよくあって、それをたどるようにこの曲が完成しました。レコーディングの少し前に本当に舞うホタルをみる機会がありました。携帯電話の明かりに反応して近くに寄ってくるホタル、人の気持ちが分かるのかな、と思わずにはいられませんでした。
2. 雨に魔法をかけて
これまでになく、ストレートな曲ができました。
雨の日は憂鬱になる時もあるけれど、部屋で雨音を聴きながら一人、考え事をして、明日のことを思うのも私は好きです。
3. コバルトブルー
私は子供の人数が多い地域で育ったのですが、仲がよかった友達が転校してしまうことも何度か経験しました。大人になれば忘れてしまいそうなことですが、時に思い出しては、どんな仕事してるのかなとか、元気でいるかなんて考えたりもします。そんな経験を去る方の目線で描きました。
4. 午前0時のベルが鳴る
長電話をして途中で寝てしまった経験を過去何度もしています。自分でも聴いていてとても眠くなる曲です。
ホーンが夜の雑踏のごとく、犬の遠吠え、クラクションのように始まります。
5. 小さな窓に
初めてギターの録音をしました。
コーラスが入り、ポップな印象になったと思います。
ジャケットの写真は20年程前、父が家の中からベランダを眺める我が家の猫を撮影したものですが、彼女が確かにそこにいた事は覚えていても、その感触や、声など、思い出せない事ばかりで、とてももどかしくなることがあります。ピンボケした写真が、愛していたのに思い出せないでいる私のモヤモヤな気持ちを写しているような気がしました。
6. まさかさかさか
なぜかついてない日の歌。
ライブで思い切り遊べる曲ができたと思います。
7. たそがれうらら
ギターと声だけのこれまでにないシンプルな編成で、ギター(福澤和也)も声も多重録音を行いました。
8. あかいくつ
社交ダンスのイメージでアレンジはベース南勇介と共作。
歌詞の内容は女の子の小さな憂鬱で、人に言うまでも無いというか、「察してよ」という歌です。
双子を街で見かけた時、同じ髪型、同じ格好で、同じ顔、表情をしていて、どれだけお互いの事を分かり合えてるのだろう?と羨ましくなったことがあって、歌詞の中に「双子」という単語が出てきます。双子みたいな恋人なんて、どんなかな?と想像してしまいます。
9. カンタービレ
宮川剛による打楽器の多重録音が聴きどころ。
ブラジルの往年のスタンダードのような曲を目標に作曲しましたが、宮川さんのビートアレンジにより、パンチの効いたものになったと思います。
10. 恋する自転車
エレキギターの刻みがマラカスのように可愛らしい印象の曲になりました。これまでにない軽快な一曲。
11. ホロホロ涙知らぬ鳥
2011年からスタートした車一台で全国を回るツアー経験し、この曲ができました。
出会っては別れ、次の街へと手を振って、きっとまた会えるとの希望をもって。
(文/中山うり)