中東の音楽大国イスラエルを支えるブルース～アメリカーナ･ギタリスト、ウジ･ラミレスがアメリカ人女性ダンサー／歌手のボビー･ジェーンとともに、声とギター／ローズ･ピアノだけで作り上げたアシッド･フォーク･アルバム。60年代のナンシー･シナトラ＆リー・ヘイゼルウッドやブリジット･フォンテーヌ＆アレスキを思わせる濃密なアナクロニズム音空間。
 
地中海のサーフロック･バンドBoom Pam、アメリカーナ･トリオRamirez Brothersを経て、『リック･マイ･ハート』、『チーズ･イン･マイ･ポケット』の2枚のソロ･アルバムをリリースしているイスラエルのギタリスト、ウジ･ラミレス。この秋（2015年）に来日が噂されるアヴィシャイ･コーエン(tp.)の新バンドThe Big Viciousにもギタリストとして参加している。
2014年12月に本国でリリースされた今作はイスラエルでダンサーとして活躍するアメリカ人女性、ボビー･ジェーンとのデュオ･アルバム。ボビーとウジ自身がプロデュースを担当し、レコーディングとミックスはBoom Pamのリーダー、ウリ・ブラウネル・キンロト (Uri Brauner Kinrot)によるもの。
ウジのギター弾き語りにボビーが囁くような声で寄り添うプライベートな全12曲は、1日でレコーディングされた。
ナンシー･シナトラ＆リー・ヘイゼルウッド、ブリジット･フォンテーヌ＆アレスキ、ゲンズブール＆バーキンにも通じるアンニュイな音が地中海西岸の白い町テルアビブから届くとは想定外！
1968年、西海岸が熱いと言えばカリフォルニアを指した。2015年、西海岸が熱いと言えばテルアビブを指す！
（text by サラーム海上）